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留萌の四季

かぎろひ燃ゆる暑寒別岳の春

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春らんまんの暑寒別連峰 左側が本峰 右側が西暑寒別岳

私の一番最初の山登りは、高校1年生の時登った暑寒別岳だった。
それ以来あちこちの山に登り続け、つつましき山歴45年ということになる。
昭和40年から10年間の、地元に居なかった間を除いて、毎年2回以上登っていたので、かれこれ60回以上は暑寒別岳を訪れている。
この山は、日本百名山に入らず、二百名山に挙げられているのも、嬉しい限りだ。
山開きの日や竹の子シ-ズン以外は、入山者もほどほどなので、山での静かな歩きを、楽しむことができる。
四季の内、この山が一番美しく見えるのは、山肌の雪模様が日々形を変える、5月だ。
麓では少しずつ雪が消え始めると、草木が一斉に生命を燃やし始め、梢の葉達は、茶褐色から新緑へと衣替えを始める。
まだ朝の6時だというのに、腐り始めた匂いのする雪が、大地の熱い熱を伝え始めている。
「かぎろひ」立ちのぼり、ここに住む生き物達の体温を上昇させ、生きるパワ-が、再び訪れたことを教える。
少し高い山では、融けだした雪水が、音を立てて沢に流れ込み、雪の下を潜り、土の中に浸み込み、そして日本海へと押し出していく。
冷たかった北風は、南に変わり、肌に心地よく、高く照る太陽と、照り返す雪の熱気に、汗ばんだ体を、裸晒しにしても気持ちがいい。
冬眠から覚めた熊は、新芽を求め、餌を求め徘徊し始める。
真っ白な雪の上を、スリムになった黒い体で伸びをし、斜面を駆け上がり、あるいは尻滑りをし、自分のテリトリ-の巡回を始める。
早朝の2合目や、5合目付近でよく見かける、雪にめり込んだ熊の足跡。
姿は見せないが、この付近には間違いなく、熊が棲息している。
「山の神」神社の上の尾根、南斜面に咲く、満開のエゾヤマザクラを手前に撮り込んで、こんな生命の萌え始める季節の暑寒別岳を念写した。
画面左側が、暑寒別岳。そこから画面中央方向から手前右方向へ延びる西尾根。
この山肌に描かれた雪模様は、日々その模様を変えていく。
よくよく見ると、熊、パンダ、今年の干支の羊まで見えてくる。
雪が消えた手前の森、全体が、ざわめき、歓び、春爛漫のパワ-を放出し、輝いている。 

平成15年4月起稿
小 杉 忠 利

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