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留萌の四季

登山道を横切る熊の足跡

平成13年5月5日 快晴

写真の説明の前に、今年の子供の日の暑寒別岳登山には、二つの予期しない出来事があったので、その話から入る事にします。

一つは、山小屋より尾根に取付くため斜面を登り始めて少ししてから、サクサクと雪を踏んでくる足音が、私の後ろからつかず離れず聞こえてきたので、振り返ってみると、私より少し若い男性が一人居て、「実は、夏山と違って雪があるので、登山道が判らず、昨夜泊まった山小屋の前で、朝から、誰か登らないかと待っていました。「一緒させてもらえませんか。」とのこと。

聞けばここの夏山も、十数年前に登っただけとの話し。年齢差がそんなにないので、体力的にも同じくらいと思い、快く返事をして一緒に登る事にする。でも、雪のある今ごろにあまり知らない山を一人で登るのも変だなと思っていたら、やはり彼なりの理由があっての事だった。サラリーマンとして、家庭の父親として、今まで脇目も振らず一生懸命働いてきて、少し先が見えてきたこの頃に、体内からわき上がる自問自答に、考える時間を持とうとここへやって来たようだ。

私は、撮影と景色を楽しみながら登る予定だったが、彼の話の聞き役に徹する事になってしまった。

4合目付近で彼は中止したが、下山時にルートを間違わないようポイントを説明しておいたので無事山小屋まで戻った事だろう。

二つ目は、5合目付近で登山ルートの尾根を横切る、今朝か、昨夜歩いた熊の足跡を雪渓の中に見つけてしまった事。思わず周囲を見渡し、そこいらへんに熊が居ないかどうか窺うが、体にゾ~と恐怖が走る。

雪の場合は隠れる場所がないので付近に居ない事はすぐ判るが、夏草の茂る山や沢で足跡を見つけた時は、本当に怖い。ハンターでも笹や木立の中では危険で追跡は無理だと言っている。

とにかく遭遇しないのが何よりで、私は腰につけた鈴の他に、笛で高い音を鳴らしながら歩く事にしている。

その後、6月に登山した人からの情報でも、5合目付近を横断した熊の足跡情報を聞いているので、ここはテリトリーを巡回するルートとなっているようだ。

上の写真は、暑寒別岳西尾根の北東に面した斜面が、遅い春を、今、迎えようとしている所です。風紋で形どられた雪のひだも、薄い茶色に染まり始め、その下では雪解けが急速に進んでいます。耳を澄ますと、沢の何処からか水の流れる音が、風に乗って聞こえてきます。岩の露出している所では、水の流れが見え始めました。写真中央の岩には冬眠から覚めようとしている、眠たそうな熊の顔が、雪模様となって現れています。

後方には、雄冬山が春霞の中、水平線の下に見えています。

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